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M社見学記【2003/6/24】

2003年6月24日(火)雨

工学院大学3年生の授業にエンジニアリング・クリニック・プログラム(ECP)というものがある.企業の持っている実際の課題を学生の与え,既成概念に捉われない新鮮な考え方で1〜2年かけて課題解決を試みるというものである.本年,私はM社から提示のあった"自転車における人間工学"というテーマを担当をすることになり,先日,担当の5人を含む15人の学生と共に工場の見学に行ってきた.

自転車のフレームを作り塗装する工程,他所で作られたさまざまな部品を取付け組立てる工程,自転車の種々の部品の特性試験,その他に小形消火器の製造工程なども見せてもらった.見学後の質疑応答で学生から活発な質問が出た.M社の特徴である技術として,自転車のフレームの組立てで普通は溶接で行う接合を圧入と接着で行うというものがあった.これによれば,高熱を与えることなくステンレス・アルミ合金・カーボンファイバーなど材料に関係なく接合できる.しかし,この工程は企業秘密なので誰にも見せていないとのことであった.この会社は他の自転車メーカーが生産拠点を海外に移転する中にあって,国内での生産にこだわり,そのためには新しい技術を次々に生み出そうとした結果,この技術が出来てきたとのことであった.これを聞いて私は日頃言っている"見せない・しゃべらない・触らせない"の"3ナイ"が実行されていると感じ,興味をそそられると同時に,わが意を得たりと思った.ここでの接着の工程が他所で行われている接着の工程とそれほど大きな差があるとは考えられない.だが,それだからこそ"見せない・しゃべらない・触らせない"が重要なのではないだろうか?

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