本書のもとになる単行本「失敗学実践講義−だから失敗は繰り返される−」(2006年10月)では,事故や失敗は必ず起こるもの,重要なのはそれから何を学ぶかであると考え,電車脱線,回転ドア死亡事故,金融システム障害など9つの事例について,筆者が実際に事故や失敗の現場に出かけて当事者に話を聞き,それを元に徹底的に分析した.
今回の文庫化に至るまでの3年半の間にも,世の中ではじつに様々な失敗が起こっている.この増補版最終章では,「日本航空の破綻」と「トヨタのリコール」の問題を新たに取り上げた.パラダイム変換によりいろんなものがダイナミックに動いている現在,本書で主張する“三現(現地・現物・現人)”と“個の独立”の実行により,自分から主体的かつ積極的に動くことが肝心である.
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