リコール学の法則
著者: 内巌・畑村洋太郎
事故は「必然的な要因」があって起こるが,事故の直接要因だけでなく背景要因を見出し,事故発生にいたる脈絡をクリアに見極め,全体として何が起こったのかを理解しなければ同じ失敗を繰り返すことになる.
しかし,事故の情報伝達においては最後に残った“客観的事実”だけが伝達され,背景要因が切り捨てられるのが通常である.
そこで筆者らは,実際のリコール事例から生きた情報を導き出す方法論を紹介したいと考えた.
筆者らがリコールの原因調査分析委員会の委員として行ったリコール事例の分析・研究から導き出した「リコール学の法則」は,他の事例や他産業でももちろん,働くすべての人達に実践的に役立つ思考方法であり知恵である. |